たわごと・くりごと・おもいで話

フィンランド在住。 日本の思い出話とかフィンランドでの話とか、内容はその時々の気分次第。

「成人式」ときいて思い出すこと

もう何年もフィンランドに住んでいる自分だが、生まれも育ちも日本。成人となったのも日本である。

一昔前は、成人式といえば1月15日だった。そして自分は、成人式へは出席しなかった。

当時、生まれてから高校生まで過ごした街から離れて生活していたし、住民票もすでに移していた。だから、故郷の街から成人式の案内が来るはずもない(その辺は市町村によって対応も違うかもしれない)。だからといって、成人当時住んでいた街の成人式に行っても周りは知らない人ばかりというのは明らか。そんなところに出席する気になんてなるはずもない。

そんなこんなで、成人式の思い出なんてものは全くない。とはいうものの、それが残念かといえばそんなこともない。あの当時、故郷の街の成人式に出席できたのであれば、小中学校時代のクラスメートたちに再会できたはず。だから、それはそれで、懐かしく楽しかったのだろうとは思うが。

当時の自分には、成人式に出席することにさほど興味がなかったことは事実。ただ、成人式衣装にかかるであろう費用もまた、自分を成人式から遠ざけたのだろうとも考えてはいる。

成人を迎える少し前から振り袖に関するダイレクトメールが頻繁に来ていたことを思い出す。当時は今よりも一般に裕福な社会だったとはいえ、少なくとも我が家にとって振り袖は高価なものだった。

成人式に出席しなかったこと自体には後悔も不満もない。ただ、一度ぐらいはきちんと和服を着る経験をしてみたかったものだとは今になって思う。日本人として生まれ育ったにも関わらず、七五三もしていない、成人式にも出ていない、結婚式もしていない…ということで、今まで一度もきちんと和服に身を包んだことがない。そのことが少し残念ではある。